売却の基礎知識

不動産売却で残置物は撤去すべき?費用と売却方法を神戸の不動産買取会社が解説

福井 健太

この記事の監修者

代表取締役

福井 健太

宅地建物取引士。19歳で不動産業界に入り、営業として実務を重ねたのち、2009年に神戸都市開発を設立。兵庫県神戸市や関西を中心に全国で不動産買取を手がける。「不動産売買は一生に何度もないからこそ、不安を一つひとつ解消したい」との思いから、弁護士・司法書士・税理士等と連携したチーム体制を構築。相続不動産や共有名義など、権利関係が複雑な物件の売却も数多く手がける。

「実家を相続したけれど、家の中に親の荷物がそっくり残っている」「片付けるだけで何十万円もかかると聞いて、売る前から気が重い」——。神戸都市開発にも、こういったご相談が本当に多く寄せられます。

先に結論からお伝えします。残置物(ざんちぶつ)は、撤去しなければ売れないものではありません。
売り方さえ間違えなければ、家財や遺品を残したまま、そのまま売ることができます。

神戸都市開発は神戸や愛知県、大阪府で20年以上、賃貸から土地・戸建ての売買、相続物件の買取、そして注文住宅の建築まで、不動産や建築の様々な現場に立ってきました。その経験から言えるのは、「残置物の片付け」で悩んで時間だけが過ぎてしまうのは、本当にもったいないということです。

この記事では、残置物の撤去費用の相場、撤去せずに売る方法、よくあるトラブルの避け方までを、不動産会社の実務目線で順番に解説します。後半では、神戸都市開発が実際に神戸市中央区で対応した相続空き家のケースもご紹介します。

相続した実家の残置物について相談を受ける神戸都市開発の担当者

そもそも残置物とは?不動産売却で問題になる理由

残置物とは、前に住んでいた人が退去するときに残していった家財道具一式のことです。
家具・家電・布団・食器・衣類、そして相続のケースなら故人の遺品も含まれます。

なぜこれが売却の場面で問題になるのか。理由は大きく二つあります。一つは「所有権(その物を持っている権利)」の問題。もう一つは「買い手に与える印象」の問題です。

たとえばエアコン。これを残していくこと自体はよくあるのですが、引き渡したあとすぐ壊れた、リモコンが無い、といったことでトラブルになる例を神戸都市開発は何度も見てきました。ここで知っておいてほしいのが「付帯設備(ふたいせつび)」という言葉です。付帯設備とは、建物に付いていて一緒に引き渡すもののこと。同じエアコンでも「処分してほしい残置物」なのか「そのまま使ってもらう付帯設備」なのかで、扱いがまったく変わります。

区分具体例売却時の扱い
残置物タンス、ソファ、衣類、食器、布団、本、故人の遺品原則、売主側で処分するか、買取業者に引き取ってもらう
付帯設備据え付けのエアコン、給湯器、システムキッチン、洗面台引き渡し対象。不具合の有無を書面で取り決める
判断が分かれるもの物置、庭木、室外機、温水洗浄便座残すか撤去するか、契約前に必ず明確にする

つまり、最初にやるべきは「何が残置物で、何が付帯設備か」を仕分けして考えることです。ここが曖昧なまま話を進めると、あとで「言った・言わない」のトラブルになります。

残置物は誰が撤去・処分する?原則は売主、ただし売り方で変わる

残置物の処分は、原則として売主(売る人)が行います。
ただし、これはあくまで原則で、どう売るかによって扱いは変わります。

原則が売主になる理由はシンプルで、残置物の所有権が売主にあるからです。家の中にある物は、基本的に持ち主のもの。だから持ち主が責任を持って片付ける、というのが慣例になっています。

ただ、実務の現場では、この原則どおりに進まないことのほうがむしろ多いというのが正直なところです。売り方によって、次のように変わります。

売り方残置物の扱い売主の手間・費用
仲介で売る原則、売主が事前に撤去してから引き渡す撤去費用は売主負担。内見前に片付けが必要
買取業者に売る残したまま引き渡せる(業者が処分を引き受ける)手間ほぼゼロ。処分費を見込んだ価格になる
相続した家を売るまず所有権の確認(相続登記)が先名義変更が済んでいないと売却手続きに入れない

仲介の場合、買い手が内見(物件を見に来ること)をします。荷物だらけの部屋は、どうしても印象が悪くなりますし、部屋の広さも伝わりにくい。だから仲介で売るなら、先に片付けておくのが基本になります。

一方、不動産買取業者に売る場合は話が別です。後ほど詳しく書きますが、残置物を残したまま引き渡せます。

相続した実家を売るケースで一つ注意してほしいのが、相続登記(亡くなった人から相続人へ名義を変える手続き)です。これが済んでいないと、そもそもその不動産を売る手続きに進めません。また、兄弟など複数人で相続して共有名義になっている場合は、全員の同意がないと家そのものは売れません。ここでつまずく方は本当に多いので、早めに確認しておいてください。

要するに、「自分が全部撤去しなきゃ売れない」と決めつける必要はない、ということです。

残置物撤去の費用相場|戸建て・間取り・種類別の目安

残置物の撤去費用は、戸建てを丸ごと片付ける場合でおおむね40万〜70万円が目安です。
ただし、荷物が極端に多い家や、庭・物置・倉庫まで片付ける場合は、120万円を超えることもあります。

費用が一律でない理由は、料金が「荷物の量」と「運び出しやすさ」で決まるからです。撤去業者の見積もりは、多くが1立方メートル(1㎥/たて・よこ・高さが1メートルの体積)あたりいくら、という計算で出てきます。荷物が多ければ多いほど、当然高くなります。

間取りの目安費用の目安備考
1R〜1K15万〜20万円単身者の部屋程度
2DK〜2LDK20万〜40万円家具・家電がひと通り
3LDK〜4LDK(戸建て)40万〜70万円一般的な持ち家
物量が多い・ゴミ屋敷化・庭物置あり70万〜120万円超仕分けや特殊清掃が加わる

費用を押し上げる要素も知っておくと、見積もりの読み方が変わります。

費用が上がる要因理由
荷物の量が多い処分量に比例して処分費・人件費が増える
道幅が狭い・階段が多い搬出に人手と時間がかかる
仕分けがされていない可燃・不燃・粗大・家電の分別作業が増える
家電リサイクル法の対象家電がある別途リサイクル料金がかかる

ここで一つ専門的な話を。エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4つは家電リサイクル法という法律の対象で、粗大ゴミとして捨てられません。決められたリサイクル料金(エアコン990円〜、テレビ1,320円〜、冷蔵庫3,740円〜、洗濯機2,530円〜が目安)がかかります。こういうものが多いと、その分費用が乗ってきます。

費用を抑えるコツとしては、自分で出せる一般ゴミは先に処分しておくこと、そして複数の業者から見積もりを取ること。あわせて、業者が産業廃棄物収集運搬業許可(廃棄物を運ぶための行政の許可)を持っているかも確認してください。無許可の安い業者に頼んで、後から不法投棄が発覚し、依頼主まで責任を問われる——というのは、残念ながら実際に起きている話です。

結論として、撤去費用は「現地を見て、荷物の量を測らないと正確には出せない」というのが本音です。ネット上の相場はあくまで目安として捉えてください。

残置物の撤去費用の相場を電卓で計算するイメージ

残置物を撤去せず「そのまま売却」する3つの方法

残置物を片付けずに家を手放す方法は、大きく3つあります。
手間・費用・スピードがそれぞれ違うので、ご自身に合うものを選んでください。

理由を一言でいえば、「家の売り方は一つではない」からです。仲介で売るのが当たり前だと思い込んでいる方が多いのですが、選択肢を知っているだけで、負担はずいぶん軽くなります。

方法費用負担手間スピード向いている人
①不動産買取業者に売るなし(価格に反映)ほぼゼロ速い(最短1週間)早く・ラクに手放したい人
②撤去業者に依頼し仲介で売る撤去費は売主負担普通〜やや遅い時間をかけても高く売りたい人
③所有権を放棄し買主に委ねる原則なし契約次第自分で処分できない事情がある人

①の買取は、不動産会社が直接買い取る方法です。業者は買い取ったあとの処分費をあらかじめ見込んで価格を出すので、実質的に片付けを丸ごと任せられます。手間がいちばん少ない方法です。

②は、撤去業者にお金を払ってきれいにしてから、仲介で一般の買い手に売る方法。空っぽにすれば高く売れる可能性はありますが、撤去費用は売主の持ち出しになります。

③の所有権の放棄は、「この残置物はもう要りません」と書面で買主に伝え、処分を委ねるやり方です。ただし口約束ではトラブルのもとなので、必ず書面で取り決めます。

神戸都市開発の経験上、相続した実家のように「遠方で片付けに行けない」「気力も時間もない」というケースでは、①の買取がいちばん現実的です。

残置物をめぐるよくあるトラブルと回避法

残置物のトラブルは、ほとんどが「事前の取り決め不足」から起きます。
逆にいえば、契約前にきちんと決めておけば、その多くは防げます。

理由は、残置物が「誰のものか」「残すのか処分するのか」が曖昧なまま引き渡しに進んでしまうからです。現場で20年やってきて、もめごとの根っこはたいていここにあります。

よくあるトラブル何が起きるか回避法
私物が誤って処分された残したかった物まで捨てられた残す物・処分する物を事前にリスト化し共有
残した家電が壊れた引き渡し後に故障し責任を問われた「不具合があっても責任を負わない」旨を書面化
所有権の放棄が曖昧買主が勝手に処分できず宙に浮く所有権放棄を書面で通知してから引き渡す
相続人の同意が取れない共有名義で売却が進まない売却前に相続人全員の意思を確認

特に注意してほしいのが「私物の取り違え」です。片付けの当日になって、本当は残しておきたかった写真やアルバム、思い出の品まで一緒に運び出されてしまった——という話は珍しくありません。何を残し、何を処分するのか。ここを引き渡し前にはっきりさせておくこと。これだけで、後悔の多くは防げます。

【神戸市中央区の実例】残置物そのまま・好条件で売却できた相続空き家

神戸市中央区の相続空き家を残置物ごと買取し契約が成立した様子

ここまでの話を、神戸都市開発が実際に対応したケースで具体的にお伝えします。

結論からいうと、神戸都市開発では残置物を残したまま買い取れるうえに、その中で「売れる物」はきちんと現金化して、売主さまにお返しできます。
これができるのは、自社で直接買い取っていること、提携している遺品整理士がいること、そして建築会社としてのノウハウがあること——この3つが揃っているからです。

ご相談いただいたのは、神戸市中央区にある相続空き家でした。売主さまのもともとのご実家で、親御さんがお住まいだったお宅です。親御さんが亡くなられ、相続したものの、ご自身は遠方にお住まいで、たびたび現地に通うのは難しい。「家の中の物もそのままで、どうしたらいいか分からない」というご依頼でした。

家の中には、家財も日用品も遺品も、まるまる残っている状態。これを通常の撤去業者に頼めば、規模からして撤去費用は120万円ほどかかる見込みでした。これは決して安くない金額です。

そこで神戸都市開発は、提携している遺品整理士に入ってもらい、家の中の物を次の3種類に仕分けしました。

仕分けの種類中身どう処理したか結果
①売れる物価値のある家具・家電など神戸都市開発経由で買取業者へ合計 約20万円で売却
②売主が持ち帰る物思い出の品・残しておきたい物神戸都市開発手配の運送業者が売主さまのご自宅へ運搬遠方でも受け取り完了
③処分する物不要な家財・ゴミ神戸都市開発にて責任を持って処分売主さまの手出しなし

ここで大きな役割を果たしたのが、神戸都市開発が提携している遺品整理士(遺品の整理・分別・供養を専門に扱う有資格者)です。これは、ほかの買取業者と神戸都市開発がはっきり違うところだと自負しています。

買取業者に丸ごと任せきりにすると、価値のある品も、ご家族の思い出が詰まった品も、まとめて「処分」の一山にされてしまいがちです。けれど遺品整理のプロが入ると、一つひとつ価値を見極めて、売れる物・残す物・処分する物にていねいに分けられます。だからこそ、売れる物は約20万円という形で現金化して売主さまにお戻しでき、残したい品はきちんと取り分けてご自宅までお届けできました。

「親の遺品を、ゴミのように雑に扱われたくない」——ご遺族のこのお気持ちに応えられるのは、神戸都市開発が遺品整理の専門家と組んでいるからこそです。不動産会社が片手間でやる片付けとは、ここが決定的に違うと考えています。

結果として、売主さまは遠方にお住まいのまま、一度も現地で片付けをすることなく、売却を終えられました。仲介で売ろうとすれば、まず120万円かけて撤去し、それから買い手を探す——という段取りになっていたはずです。買取という選択肢を知っていただけたことで、時間も、お金も、心の負担も、大きく減らすことができました。

これが、片付けに手をつけられず固定資産税だけを払い続けるより、まず相談だけでもしてほしいと神戸都市開発が思う理由です。

残置物がある家を売るまでの流れ

神戸都市開発の場合、ご相談から決済(お金の受け取り)まで、最短で1週間ほどです。
遠方にお住まいでも、現地に来ていただかずに進められます。

理由は、自社で直接買い取るため、買い手を探す期間が要らないからです。仲介のように「いつ売れるか分からない」という待ち時間がありません。

ステップ内容売主さまにしていただくこと
①無料相談電話・フォームで状況をお聞きする分かる範囲でOK。匿名でも可
②査定物件と残置物の状況を確認し価格を提示写真の送付など。AI査定も利用可
③契約条件にご納得いただければ契約書類は郵送でやり取り可能
④仕分け(希望者のみ)提携の遺品整理士が「売れる物・持ち帰る物・処分する物」に分類。売れる物は現金化、残したい物はご自宅へ運搬残したい物・貴重品をお伝えいただくだけ
⑤決済・引き渡し代金をお支払いし、引き渡し完了残置物はそのままでOK

※④の仕分けの工程は、ご希望の方のみです。「全部そのまま引き取ってほしい」という場合は、もちろん何もせずそのままで結構です。先ほどの神戸市中央区のケースのように、売れる物の現金化や、残したい品のお届けをご希望の方に行う工程です。

「現地に行けないから無理かも」とあきらめる前に、まずは状況だけでもお聞かせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 残置物が多いと、買取価格は下がりますか?

処分費を見込む分、多少は影響します。ただ神戸都市開発は自社買取で間にマージン(中間業者の手数料)が入らないため、その分を価格に還元できます。また、売れる物があれば現金化してお戻しするので、トータルでは思ったほど目減りしないケースが多いです。

Q2. 本当に何も片付けなくていいのですか?

基本はそのままで結構です。ただ、残しておきたい貴重品や思い出の品だけは、事前にお伝えください。提携の遺品整理士が仕分けの際に取り分けます。

Q3. 遠方に住んでいて現地に行けません。対応できますか?

できます。関西を中心に全国47都道府県に対応しており、オンライン相談と書類の郵送で完結できます。先ほどの神戸市中央区のケースも、売主さまは遠方在住のまま売却を終えられました。

Q4. 相続した実家で、まだ名義変更をしていません。売れますか?

売却の前に相続登記(名義変更)が必要です。神戸都市開発は提携の司法書士と連携しているので、その手続きからサポートできます。

Q5. 他社に「再建築不可」「前面道路が狭い」と断られました。

あきらめる前にご相談ください。「再建築不可(今ある建物を壊すと、新しく建てられない土地)」や、車が入れない狭い土地でも、建築会社としてのノウハウで対応できる場合があります。

Q6. 遺品整理と不動産売却を別々に頼むと、費用がかさみませんか?

神戸都市開発は提携の遺品整理士とワンストップで対応するので、窓口は一つで済みます。遺品の分別から不要品の処分、不動産の買取までまとめてお任せいただけるので、バラバラに依頼するより手間も費用も連絡の行き違いも抑えられます。

まとめ|残置物は「撤去してから」でなくていい

最後にもう一度お伝えします。残置物は、撤去してからでないと売れないものではありません。
買取という方法を選べば、家財も遺品も残したまま、そのまま手放せます。

撤去に何十万円もかける前に、売れる物は現金化し、残したい物は手元に戻し、残りは任せる。神戸市中央区のケースのように、遠方にお住まいでも、現地に通わずに売却を終えることは十分に可能です。

「片付けが進まない」「何から手をつけていいか分からない」——その状態で時間だけが過ぎてしまうのが、いちばんもったいない。まずは状況をお聞かせいただくところから始めてください。匿名でのご相談も、無理な営業も一切ありません。

この記事は、神戸都市開発株式会社(Team Next)代表取締役・福井健太が、20年以上の不動産実務の経験をもとに執筆・監修しています。費用や制度の情報は一般的な目安であり、実際の金額・手続きは物件の状況によって異なります。

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